オープンソースプロジェクト、Boostnoteのこれまでと今、これから(①これまで編)
こんにちは、Boostnoteの横溝です。 好きなものはPay money To my Pain、今は13 monstersを無限ループしてヘドバンしながらこのブログを書いています。
Boostnoteとは?
リリース以来196の国と地域へ拡がっており、直近のユーザーの海外比率は90%とグローバルなオープンソースのプログラマー向けノートサービスです。
macOS, windows, Linuxで利用が可能、モバイルアプリも今夏リリースします! 世界中の開発者達と対話を行いながら日夜開発に取り組んでいます。
もう少しで10hz (Boostnote Teamより改名)もリリース!お楽しみに。
Boostnoteのはじまり
もともと私がまだ大学生だった時に仲間達と作っていたCLIツール、それが少しづつ姿を変え、今のBoostnoteに繋がっています。
当時はCodeXenという名前で開発を行っていました。 ちなみに”コデクセン”が正しい読み方なのですが、コデクジェンやコードエックス(enどこ行った)、挙句には子沢山などと呼ばれるようになり、名前をBOOSTに変更、最初のバージョンのリリースを行いました。
@ITさんが書いて下さった当時の記事 www.atmarkit.co.jp
(UIに最早カタルシスを感じます。)
その後うまく立ち上がったのですが、C++のライブラリと名前が被っていることを知り、Boostnoteに名前を変更しました。当時教えて頂いていた方、ありがとうございました。
それと同時期くらいにオープンソース化を行い、今に至ります。これが去年の4月頃です。
知の群衆
オープンソース化を行った理由はいくつかありますが、下記二点が主な理由でした。
①自分たちがトライしてみたかったこと。
文字にしてそのままですね。日本から世界へ通用するオープンソースを作ってみたい!やはりこれが最大の理由でした。
加えてオープンソース化する前から海外のユーザーが多く、「オープンソース化してくれよ!」との要望を多く受け取っていたことにも後押しされました。
②オープンソースを通して社会実験の一翼を担いたかったこと。
ソフトウェアは作者の持つ思想そのものであり、オープンソースは言わばアウトプットの集合体です。
それに対し興味を持った人々が集い、小さなコミュニティが徐々に作られ、やがて大きな「知の群衆(クラウド)」が形成されていく。
LinuxやApache, Firefox等、情報経済のインフラストラクチャは知のクラウドによって作られています。
そして現代、その概念はクラウドソーシングという形で急速に世の中へ浸透しており、今後は更に加速度的に世の中を飲み込んでいきます。
私は、オープンソースを祖として生まれたクラウドソーシングの本質は「開放と相互扶助」、つまり閉鎖性を排除し、民主的な環境下において、ひとりひとりの持つ才能がそれを必要としている所へ最適に届くことであってほしいと強く思います。労働力を搾取する場としてはあってほしくありません。
少し話は逸れましたが、どうせ放っておいてもオープンソースをベースとした労働形態へ、世の中はアップデートされていきます。 であれば、オープンソースを提供している事業者として世の中の動きを早めたい、これは今最大のモチベーションになっています。
有機的に繋がるグローバルなコミュニティを作る
日頃私達が使っているライブラリやツールのほとんどが海外製であることに悔しさを感じており、世界で通用するサービスを作ることには最初からこだわりがありました。
そして、せっかくオープンソース化するのであれば、世界中に繋がるコミュニティを作りたいと思っていました。
生意気な事は自覚していますが、Boostnoteがファーストペンギンになる事で、日本から世界でグロースするOSS、ひいてはソフトウェアが生まれることを志として掲げています。
また、BacklogやCacoo, Typetalk等を既にグローバルに提供されているヌーラボ社の橋本社長にはBoostnoteを作る前から度々アドバイスを頂いており、目指すべき先輩が近くにいる環境があった事はとてもラッキーでした。
本日、 @Boostnoteapp の人と話したのだけどワールドワイドにやっててとても期待ができると思った。この感じは、福岡発と言うよりも日本発だなあ。プログラマー向けスニペット管理ツール。オープンソース版でも展開中。 https://t.co/yl79b52zky
— マサノリハシモト.COM (@hsmt) September 12, 2016
話は変わりますが、ある海外の友人と話していた際「LPを英語だけにした方が良い。日本語が目に入ると、それだけで使わない外国人はいる」旨のフィードバックをもらった時はさすがにショックを受け、Japan passingを(というかSaaSにおいては最早それが世の中のファクトなのかもしれませんが)身を持って感じた瞬間でもありました。
同時に、Boostnote、そしてその先に控える10hz (Boostnote Teamより改名)、更にその先に控えるサービスを、必ず世界で通用するものへと育て上げ、世界を見返してやると誓った瞬間でもありました。
オープンソース化して実際どうよ
結論から言うと、良かったの一言です。Boostnoteのコミュニティが少しずつ世界へ拡がっていることを実感した日の夜は、家で作るハイボールがいつもの何倍も美味しく感じます。
また、オープンソース化していなければ確実に出会うことが無かった方々との出会いもあり、その中には私のメンターのような方や、今ではコアチームの一員として日々の開発を支えてくれている仲間とも巡り合うことが出来、本当に最高だなーと思っています。
Boostnoteというコミュニティを通して誰かの人生を豊かにすることが出来たなら、それは作者冥利に尽きます。
とは言え、全てにおいてそうですが、経験がなく手探りで、しかも英語のみのコミュニティを運営することは当初とても苦心しました。 独特の文化には分からないことも多く、その度に逐一調べたりDockerやReactのような先人を参考にしたり、それでも分からないことはユーザーに教えを請いながら手探りで進んでいきました。
トライしながら学ぶ過程において、多くの世界中のユーザーと、インタラクティブにコミュニケーション可能な環境を構築出来た事は最大の資産だと感じています。
また、コアメンバーが考えもつかなかった機能が、ある日突然アメリカのユーザーからプルリクで飛んでくる等、ユーザーがユーザーの為に人事を尽くすエコシステム(言い過ぎか?!)は見ていて最高ですし、誇るべきポイントだと思っています。
先程少し触れたとおり、私はオープンソースの本質のひとつとして相互扶助があると信じているのですが、Issueで寄せられた質問にユーザーが答えていたり、バグをユーザーが直してプルリクを送ってくれたり、幾許かはその本質をBoostnoteも体現できていると思うので、この本質からブレないよう、有機的に繋がるグローバルなコミュニティを更に拡大させていきたいところです。
その後、昨年末に更に紆余曲折があり、大規模なアップデートとロゴの変更を行いました。 そこから目に見えてユーザーが増大し、今に至ります。
以上、これまで編でした。 こうやって振り返ると、改めてコミュニティの力無しでは確実に継続は出来ていなかったなと実感します。本当にありがたいです。
時代をアップデートする一翼を担うオープンソースプロジェクトとして、これからも邁進していきます!
*先日TECH LAB PAAKに立ち寄った際にBoostnoteステッカーを大量に置いてきたので、欲しい方がいればどうぞ!
*次回予告
- BoostnoteユーザーやGitHubにStarを押している人達の国別比率等、気になる数字を公開。一位はあの国!
- Boostnote Teamをチラ見せ。 など
*Boostnote関連情報
- Website
- Repository:Welcome to our community! 🚀
- Boostnote Team : Boostnote for the creative hacker teams. We will release it at sometime soon! 🏃💨
- ever2boost:CLI tool for conversion Evernote to Boostnote 📕
- Boostnote Store:Enjoy our cute items! Products are shipped to around the world 🌏
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